福島民友新聞の8月2日の紙面は「仙台管区気象台は1日、“東北南部が梅雨明けしたとみられる”と発表した」また「気象庁は1日、日本の7月の平均気温は平年より2.16℃高く、1898年の統計開始以降最も高かったと明らかにした 2年連続で最も暑い7月となった」と報じている。連日の記録的猛暑のニュースにうんざり、8月も暑い日が続くという。
7月の猛暑の原因を「7月の日本列島周辺は、太平洋高気圧の張り出しが強まり、さらに偏西風の北への蛇行で南からの暖かい空気が入りやすい状況だった 暖かい空気が高気圧に覆われ晴れた強い日差しでさらに暖められ、上旬や下旬に高温となる日が続いた」と気象庁は説明している。太平洋高気圧の強まりと太平洋の日本周辺の水温が高くなり魚の生息分布も大きく変わってきているという話とは無関係とは思えない。地球規模での異変の一端として考えていかなければと思う。
40℃を超える猛暑では、人間の野外での活動がほぼできなくなる。これまで栽培してきた作物も高温と干ばつによりほぼ収穫は見込めない。地球規模での異変は、地球規模での食料危機をもたらす。食料危機は、人間社会に歪みを生み、社会不安を増幅させていくことになる。
ウクライナとロシアの紛争、中東の紛争で気温上昇にはならないが、気候変動による干ばつや不作等による食料危機に拍車が掛かる。天変地異と食料危機は、国家間の緊張と政治の不安定化をもたらし、国家間の紛争の火種となる。国家間の紛争の背景には、常に領土問題が付きまとう。領土を隣国と分けているのが国境であるが、この国境というものがなんとも心もとない。
日本の明治維新以後の領土を考えただけでも、朝鮮半島の併合、台湾の併合、満州、樺太の領有問題と戦争を繰り返し、そのたびに領土を拡大し国境を変えてきた歴史がある。太平洋戦争の敗戦により、それらのすべてを失い現状の形となっている。力による領土拡大、紛争は領土の境界を変えていく、それは現在も続いている。国民のために豊かな領土を獲得し、国民に分け与えるリーダーは国民の英雄となるが、侵略された民は地獄を見る。
世界規模での天変地異の中で生き残るには、自分だけがという発想から、みんなで助け合っていこうとする「共生社会」への転換が世界規模で必要となっている。