石破内閣が10月1日に成立した。自民党総裁選で石破茂氏が9月27日選任され、10月1日国会の新総理大臣指名選挙で総理に指名され石橋内閣を組閣した。その日のうちに、夜の記者会見で「9日に衆院を解散し、15日公示、27日に総選挙を行う」と明言した(10月2日朝日朝刊)。今月は、これからの日本を方向付ける選挙の月となりそうである。

岸田総理が8月15日に総裁選不出馬を表明してから、自民党内での総裁選へ動きが活発化していく。総裁選は、9人もが立候補する混戦となり、27日高市氏との決選投票を制して石破氏が選出された。その総裁選の投票権を持っていたのは議員367票、党員・党友368票、計735票にすぎない。決選投票では、議員362票、地方票47票、計409票の争奪戦で総裁が決まったようである。党内の735票の投票権を持つ人々の選挙、1,000人にも満たない身内だけの選挙で最大与党の党首が決まってしまうということを初めて知った。

これに先立つ23日には、立憲民主党の代表選が行われ野田桂彦氏が選出されている。投票権はポイント制で国会議員2ポイント、公認候補予定者及び47都道府県代議員1ポイントでポイント総数738ポイントを4人の候補者で争われ、決選投票を制して野田氏が選出されている。これもまた738ポイントの争奪戦であった。この2大政党の党首選、妙に似ているように見える。おまけに両党首とも67歳、安倍政権以前活躍した古参の政治家の2人である。安倍政権の残した負の遺産を払拭し、民主的な国会運営が復活することを願うが、それは解散後の選挙結果を見るしかない。

初閣議に臨む石破茂首相、左は村上総務大臣、右は中谷防衛大臣の3人の写真が、2日の紙面に載っているのが妙に気に掛かる。地方創生と国防を担う大臣を両脇に置く姿がこれからの政策を暗示しているように思えてくる。防衛予算の拡大と軍需産業の育成、武器輸出の本格化、軍事拠点の地方分散、軍需拡大による景気回復、国際的な緊張はこれを助長する。悪夢の負のスパイラルが頭をよぎる。

国民としては、安全・安心に暮らせる社会を実現してくれる政治を願うのみである。