8月3日、安倍第3次改造内閣が発足した。次の日には、世論調査で内閣支持率が44.4%と7月の調査より8.6㌽上昇したと報じられた。大臣の入れ替えで評判がそんなに変わるものかと不思議に思う。

大臣になる議員の名前はいつもほとんどわからない。今回の野田聖子大臣、思えばオリンピックで活躍した競輪選手であったことを思い出す。元大臣経験者も多い。名前がわかるとなんとなく期待したいような気がしてしまうのが人情。結果、世論調査での誘導尋問にはまって好意的な回答は増加する。これで内閣支持率が上昇、大臣の人気投票で全体を引き上げている。しかし、これで安倍政権の政策が何か変わるとも思えない。

大臣になった議員の名前もわからないが、大臣の名前もよくわからない。記憶に残っている昔の省庁名、大臣はその長だと思っていると、改造内閣の大臣名によくわからない大臣名の多いことに驚かされる。

国務大臣は、各省の長であるが、これ以外にも内閣府特命担当大臣、特別法により置かれた大臣がある。復興、沖縄北方、一億総括躍、経済再生・人づくり革命、地方創生・行政改革、五輪、の7大臣が省を持たない大臣。省は現在11であるから、特命大臣等の割合の多いことがわかる。政策を強調するために特命大臣を増やし、古参議員へのポスト配分に利用されているようにも見えてくる。前回の内閣改造から1年ぶりの組閣である。この間に1年間の任期を全うできなかった大臣も多い。

政策目的のために設けられる特命大臣、政策立案から政策実行へのプログラムがなければ政策は具体化しない。一億総括躍、人づくり革命、地方創生、耳ざわりの良い言葉が、大臣名として並んでいる。しかし、その内容に関しては、ほとんど私たちの目に留まることはない。閣議決定された政策を実現するために置かれる特命大臣、すでに決定され政策実行へのプログラムを円滑に遂行するための大臣、穏便にその任期を全うし、政策終了まで引き継がれていく。大臣としての裁量権がどの程度あるのか、ほとんどないため突然の大臣指名を受けても、だれでも務まるということか。

政策立案から実行までの議論が何処でなされ、何が実行に移されていくのか。地方創生の掛け声の中で、その地域で生きる人々の生活はどうなっていくのか。その地で生きてきた人々が住めなくなり、新たな人々を誘導した地方の創生が進められていくということのないように、しっかりと住民との対話議論を重ねていくことを願う。