震災後のシャローム支援活動の報告

支援活動の報告
絆づくり支援センター 活動のご紹介
震災後の支援活動

 わたしたちシャロームは、3月11日の東日本大震災を期に、被災者支援に取り組むようになり、南相馬市、飯舘村を中心に物資の支援、人的支援を行ってまいりました。シャロームの新しい事業である絆づくり支援センターについてご紹介いたします。

絆づくり支援センター 始動!

 一次避難所、二次避難所から、被災者の皆さんの生活の場は、仮設住宅、借上げ住宅に移行しており、今までと違った対応を求められております。そんな仮設住宅、借上げ住宅でのよりよい生活をサポートするために、8月1日より福島県雇用労政課の事業である「がんばろう福島!絆づくり応援事業」の一環である、絆づくり支援センターが県内6箇所に設置され、県北は渡利に開設されました。  センターの業務は、市町村等の関係機関と連携して、避難者同士、被災市町村と受入市町村間での絆を深めために必要な総合コーディネート、避難者の生活利便・居住環境の向上、生活再建に向けた支援を行うとともに災害支援スタッフの育成等を図る事業に取り組んでいます。  具体的な活動としては、去る8月20日、県北地方最大の一次避難所だったあづま総合体育館で「昔ながらの夏祭り」という企画を行いました。あづま体育館に避難している皆さんは盆踊りのルーツである南相馬市の方が多いので、ご当地セミプロの渡辺さんにお囃子つきで生歌を歌っていただきながら、みんなで踊ることができ、仮設住宅にこれから順次入居していくみなさん同士、なごりを惜しみながら、きづなを確認することができました。また、避難所運営にご協力いただいたNPOや市民団体の皆さんとのきづなも深めることができました。  以上のような、人と人の絆をつなぐための事業を展開し、仮設住宅、借上げ住宅のみなさんと、地域のみなさんの絆を深めるよう、今後も様々な行事を展開していきたいと考えています。

お電話でのお困りごと相談も承っています。

こんな問題がある!こんな支援があったらなあ! こんなことしてほしいなあ! 周りの人に相談しづらいなあ!等の お気づきのことががありましたら、何でもご相談ください。 関係市町村と連携しながら、課題の解決に向けた企画・提案に取り組みます。

<<連絡先>>

県北地域絆づくり支援センター 

〒960-8141 福島市渡利字鳥谷下町67-1  
TEL 024-573-8425  FAX 024-573-8426

広島、チェルノブイリ、そして福島・・・ジュノーの会よりの支援『梅ドみ』

 「梅ドみ」とはヒロシマの被爆者の皆さんが、自分の体験をもとに日頃の食生活の中から、なるべく放射性物質を体内から排出しやすい助けとなる食物として、「梅干し」、「どくだみ」、「味噌」の3つの摂取をおすすめしています。かのチェルノブイリの事故の時にも日本より現地にたくさんの「味噌」が送られました。その経験をまさに今福島で活かすべくヒロシマの「ジュノーの会」代表・甲斐さんよりたくさんの支援をいただいています。

<<ジュノーの会の紹介>>

 スイス人医師マイセル・ジュノーさんは、広島への原爆投下の方を聞くや直ちに広島救援のための活動を開始し、1945年9月8日、15トンもの医薬品を携えて広島に入り、被爆者・医療従事者を励ますとともに自らも治療活動を行ない、数万人の命を救ってくれました。  ジュノーの会は広島の恩人=ジュノーさんに対する感謝の気持ちを共にするヒロシマの人々によって作られた市民団体です。ジュノーさんにしてもらったように、との思いを込めて、世界のヒバクシャの即時救援を目指していますが、今はチェルノブイリ被害者(ウクライナ)に対する支援活動に力を入れています。数百万人といわれるチェルノブイリのヒバクシャのために、ヒロシマの全ての経験を届けたいという悲願を持っています。(ジュノーの会・会報より転載)

東日本大震災・原発事故を乗り越えてゆく!

 東日本を未曽有の震災が襲った。その日から連日、大竹代表の元に全国の知人・友人たちより震災を心配する多くの連絡が寄せられ、多くの支援物資、放射線除去に関する知恵などが寄せられた。シャロームではいち早く、淡路島の知人に非常食としてNASAへの納品実績のあるレトルトのおかゆを発注し、支援物資として当時陸の孤島とかしていた南相馬市の市役所に物資を送り届け、桜井市長にエールを送った。また、飯舘村・菅野村長にも支援物資を届け続けた。  また、福島市最大の一時避難所であるあづま総合体育館を訪問し、何かできないかと現地スタッフと話し合い支援方法の模索を始めた。体育館では南相馬市の避難民の方がほとんどの割合を占めていた。程なく南相馬市職員が福島市の避難所担当としてあづま総合体育館に配属されてきた。大竹代表のもとに現地にてサポートの要請の旨の連絡があった。  こちらから見れば、市役所職員も被災者である。南相馬市本局から見慣れぬ福島市を任され全ての避難所を掌握しなければならない。しかも、避難も長期化しており、避難市民のストレスも溜まっており、スムーズな対応が求められる。前日まで24時間対応で激務を遂行してきた2名は憔悴しきっていた。今後、この慣れぬ土地での避難市民の世話は計り知れぬ困難を極めるだろう。私たちはこの職員2名を支えることが、南相馬市4千人全てを助けることと同義とみなし、福島市にて一刻も早く南相馬市の行政サービスを滞り無く進めるためにこの2名の現地サポート、道案内が必要と判断した。それから、同行して市内数十箇所の避難所をめぐり、サポートを行なっている。もちろん我々民間は行政の職域に関わる内容にはタッチしないし、守秘義務も守るのが前提でのことである。数多くの避難所を訪問しているうちにそこの責任者の対応も様々で、地域住民と溶けこみ、炊き出し等の連携がうまく取れているところ、そうでないところ、様々な問題点が見えてきた。足りないのは人なのかモノなのか、それともお金なのか。今の段階で何が必要なのかニーズはこくこく変化していく。地域のコミュニティの関係性を避難所でも失わずに地域まるごと避難してきた避難者たちは披露の度合いも少ないように見えた。  4月21日にはあづま総合体育館にて、あづまスポーツクラブさんのご協力のもと、IIYOさん、子供権さん、元気になろう福島さんらのお手伝いをいただきながら、すいとん汁の炊き出し、梅ドみのお茶の提供を行なった。他の避難所では自治組織ができつつあるところもあり、自分たちでの自炊を始めている避難所もある。そのようなきっかけになればと、体育館内の避難者に呼びかけ、集まることを期待したが、今回は参加の希望者は残念ながらいなかった。またの機会に期待したい。まだまだ避難所生活も長期化の様相をていし、終の見えない状況ですが、被災者の皆様が一刻も早く安心して生活できるよう心よりお祈り申し上げます。(佐々木宗隆)