来年のひまわり栽培に向けて
今、畑の肥料分はひまわりの種のほうに流れ、土の養分は減っています。そのため、何もせず春を迎えてしまうと肥料をたくさん買って入れなければならなくなりますので、なるべくお金をかけずにやっていきたいと思っています。まずは緑肥や堆肥の特徴を掲載しますので参考になさってください。
土を育てる
ヘアリーベッチという堆肥の写真
ひまわりの茎は炭素率((C/N比)有機物中の炭素(C)をチッ素(N)の割合。炭素率が20より小さい(チッ素が多い)と分解が速く、速やかにチッ素が放出され、大きい(炭素が多い)と分解が遅く、チッ素が微生物に取り込まれる。)が13~40です。来年のひまわり栽培のための土づくりでしたら、茎などが枯れてから小さく切って混ぜても問題ありません。
また、ヘアリーベッチというマメ科の植物を畑全体にまいて、根粒菌(マメ科植物の根に根粒をつくる微生物)によるチッ素固定をし、すき込むことで土のチッ素供給をすることができます。そのほかには、クロタラリアやクリムゾンクローバーなどがあります。
イネ科のライ麦やえん麦、イタリアンライグラスなどは土づくりに役立つ有機物蓄積効果がマメ科よりも大きく、すき込み時期は遅い方が有利です。ただし、すき込んですぐの播種(種をまくこと)はガス害やピシウム菌(腐敗カビ属菌に属する微生物)の一時的な増殖で発芽不良が起きることがあるので注意が必要です。
畜種堆肥について
堆肥には牛ふん、豚ぷん、鶏ふん、馬ふんがあり、それぞれによって特徴があります。
牛ふん堆肥の特徴
ふん主体の堆肥には飼料の残りかすや敷料由来のわらを若干含むものも含まれます。水分50%“以上”の堆肥はチッ素、リン酸、カリが約1%程度で低いですが、養分のかたよりが小さい特徴があります。
水分50%“未満”の堆肥は養分が高く、特にカリがほかの畜種と同程度に多い特徴があります。これらのタイプの多くが乳牛ふんを主体としたものです。副資材入り(おがくず、もみがら、チップ、バーク、稲わら)の堆肥はふん主体に比べて養分が少なく、C/N比が高い特徴があります。肉牛ふんや水分調整を必要とする乳牛ふん尿がこれに入ります。
豚ぷん堆肥の特徴
ふん主体の堆肥はチッ素を3%含むなど、養分が高い特徴があります。副資材入りの堆肥はふん主体の堆肥に比べると養分が半分程度になります。豚舎でおがくずを敷料に用い、6か月~1年間飼育豚に踏ませてかき混ぜ発酵させるハウス養豚の堆肥もこれに含まれます。
鶏ふん堆肥の特徴
ふん主体の堆肥はすべて採卵鶏ふんが原料で、発酵・乾燥施設で製造されたものが大部分を占めます。豚ぷん堆肥に比べて、チッ素はやや低く、リン酸とカリは高い特徴があります。飼料にカルシウムを多く添加しているため、石炭が約17%と高いのが特徴です。ブロイラー乾燥ふんにはふんと若干の飼料の残りかすが含まれます。床面暖房により水分は少ない特徴があります。発酵工程はない場合が多く、チッ素は高く、リン酸とカリは低い特徴があります。飼料にカルシウムを添加しないので、石炭が約3%と採卵鶏ふん堆肥のように高くありません。
馬ふん堆肥の特徴
馬ふん堆肥は牛ふん堆肥に比べて、チッ素、リン酸、カリ、石炭、苦土などの養分が低く、C/N比が高いので、土づくり的な資材として適しています。
C/N比…対比率
おわりに
化学肥料や農薬はすぐに結果が出ますが、もともといる微生物や菌がいなくなってしまいます。「土は生き物」という視点を持って歩んでいきたいと思っています。土の気持ち、ひまわりの気持ちを共に考えていきましょう。