放射線と放射能の安全
講 師:吉原 賢二さん (いのちの尊厳を考える会会長 東北大学名誉教授)
日 時:2014年4月19日(土) 13:30 ~ 16:00
場 所:まちなか夢工房2階 オアシス広場
参加費:500円
<講演内容>
広島、長崎、チェルノブイリ原発事故など、実際におきた放射能にまつわる恐ろしい実害の数々。福島の事故のあとも頻繁に報道されてきた放射能と放射線の危険性ですが、生涯科学者として、また、薬害被害者とともに国を相手取って戦った社会活動家として、吉原さんに見識を披露していただきます。
<シャロームの立場について>
シャロームでは、原発事故の被害者である子どもたちの支援を積極的におこない、また、これまでの「地元学を考える」においても、ベラルーシでチェルノブイリ原発事故被害者の診療に携わった経験もある振津かつみ先生や、原発の危険性や、その作業者の危険な日常を取材した千葉茂樹監督を講師にお呼びし、講演をしていただきました。その程度は如何であれ、原発事故による被害は確実に存在し、支援が必要であるというのが私どもの立場です。それを踏まえた上で、今回は中立的な視点から、安全性を訴える立場の論客としての吉原先生をお呼びすることといたしました。吉原氏は、これまでの講演でも御用学者として中傷を受けたことがあったそうですが、一度も行政に頼まれて講演をしたことはなく、また、講演の謝礼などは全て被災者支援に寄付、またはワクチン被害者団体などに寄付されてこられたそうです。プロフィールからも、吉原さんの理知的で誠実なお人柄がお分かりいただけるかと存じます。放射能が危険であると認識されている方々も、今回の地元学の趣旨について、どうぞご理解いただけますようお願い申し上げます。
講師プロフィール:吉原 賢二(よしはら けんじ)さん
1929年新潟市生まれ。少年の頃は天体に憧れ、旧制新潟高等学校を経て、東北大学理学部科学教室へ。大学卒業後、通産省工業技術院電気試験所に入所し、放射能標準を作成する仕事に従事。電気試験所から派遣された東大理学部では、ビキニ環礁で被曝した灰の放射能分析を行う。その後、日本原子力研究所のアイソトープ部門に入り、茨城県東海村へ。1964年、次男がインフルエンザ・ワクチンの接種により重度の心身障害者に。全国の薬害被害者とともに国との裁判に半生を捧げ、歴史的な勝利を勝ち取る。その後東北大学で教鞭を執り、定年後に東北大学の先代教授・小河正孝のニッポニウム研究の再評価に乗り出し、幻の元素「ニッポニウム」がレニウムだったことを証明。この研究は英国BBC放送にも取り上げられ、国際的に大きな評価を得て、2008年の「化学史学会学術賞」を得る。