自然災害が続出している。広島での土石流、御嶽山の火山噴火、想像を絶する大惨事となっている。マイホームを一瞬で失い家族の命も奪われ、家族で友人と秋の紅葉を楽しむはずが一瞬にして地獄絵図と化す。自然の前に人間の非力さを思い知らされる。
2011.3.11の地震・津波の記憶が蘇る。自然災害による破壊力に人間はもっと謙虚にならなければならない。地震・津波が起きたなら危険であることを承知で建設された原子力発電所、地震・津波の破壊力により倒壊し、大爆発を起こした原子炉は放射能を広範囲に飛散させ事故の収束の見通しは立っていない。すべてが手探りで進められているように思える。地震・津波は自然災害であるが、原発事故は明らかに人工物による二次災害であり、人災であると言える。
広島での土石流もまた記録的な集中豪雨は自然災害を引き起こす要因ではあるが、乱開発による宅地造成がもたらした人工的な二次災害であり人災としての側面を考えなければならない。今回の御嶽山の大噴火、紅葉で一番に賑わう山頂付近での爆発をなぜ許してしまったのか。活火山で歴史的にも噴火を繰り返している山なのに、火山性微動を地震観測機器を設置して観測していれば入山規制も出来ただろうに。福島県にも活火山はおおい。吾妻山、安達太良山、磐梯山、燧ケ岳等々、当然観測対象となっていると思って何の不安も持たず山登りを楽しんでいたが、本当に安心なのかと言う不安がよぎる。観光地として誘客を行う側の危機管理の欠如による二次災害が被害を大きくしたと思えてくる。
平常時での活用のみを前提に管理運営が行われ、このためのコストのみを考え、その対象物や環境に内在する災害発生時のリスク回避費用を過少又は無視してきた結果の二次災害が被害を大きくしている。防災意識を考え直し、リスク回避対策費用を考慮したインフラ整備でなければならない。