福島から送られた「ひまわりの種」が、全国各地で植えられている。芽が出てきたという報告が写真とともに送られてくる。グループで種まきをしている姿、一段落した後の集合写真、福島のためになればとひまわりの種を選び植え始めた人たちが全国にいる。
誰かのためにみんなで力を合わせ具体的な作業を行うと、みんなが仲間となり親しくなれる。私たちは、障がい者支援の団体として長年活動している。障がいを持つ人たちの手助けになればと仲間を募り、さまざまな活動を行ってきた。目的を共有し活動することで参加した人たちは、口々に障がいを持つ人たちに元気をもらったという。それは、目的を共有し活動する人たちが仲間意識を強め、支援する対象となっているはずの人たちとの心のふれあいが生まれ、その成果を心の底から共有できたことを実感できたことによるものであろうと思っている。人は人のために役に立ったと思うとき、何とも言えない充実感を憶え、優しくなっている自分がいる。
人は、社会との関わりの中で生きている。子どもと大人との能力差は歴然としている。大人の年齢になってもさまざまなハンディを負った大人がたくさんいる。人は老化から逃れることはできない。時として、社会は特定の地域にハンディを負わせてしまう。福島はその渦中にある。
ひまわりの一粒の種は、さまざまな状況にある人たちを繋ぎ、育てる楽しみを共有し、福島への思いを育む。「ひまわりの種」は、福島を思う優しさの連鎖を生み、優しさが社会を変える原動力となる。今年は、一段と大きな大輪の花を咲かせてくれることを願う。