3月を迎え、春の日差しが温かさを増してくる。しかし、突然寒さが戻り、冬に逆戻り。三寒四温を繰り返す。
2011.3.11.東日本大震災そして原発事故、6年の月日が流れた。6年前の14日、福島原発での水素爆発の映像がテレビから流れた。その日は、寒く春の雪が降った。飯館村は、阿武隈山系の中腹にあり、浜風にのって放射能を含んだ雪が村に降り積もった。村は、それから全村避難への道を歩むこととなった。
その飯館村も4月からは避難解除となり、帰村することができることとなる。原発事故からの地域再生に向けての転機となることは間違いない。地域とは人が生活する場と考えると、地域再生とは、人が生活する場を取り戻すことを意味する。帰村とは、これまで生活していた場所に戻ること、そのためには、以前のような生活の場が必要となる。避難解除は、放射能の危険は無くなったとの判断を政治的に行ったものにすぎない。帰村の環境がどの程度整っているかとは全く違う。
人は、環境に適応し、生活の糧を得て、家族を養い社会生活を営む。帰村して、生活の糧を得る仕事が得られるのか、家族を安心して養っていけるのか、家族を支える地域社会は存続しているのか。それは、一人一人状況が違い選択も異なる。定住できる生活の場を一人一人が持たねばならない。そのための再出発の時を迎えつつある。
飯館村インターネット放送局が、飯館村村民の手で開始された。分散していく村民の心の支えとして新たなコミュニティを形成していくことを願いたい。一人一人に寄り添い、助け合い、支え合える人間関係を繋いでいくことで、様々な困難も越えていくことができる。生の情報を共有し、理解し合うことから新たな動きは生まれてくる。