明けましておめでとうございます。
穏やかな元日から2018年が始まった。年を重ねると穏やかな日々の大切さをつくづく感じさせられる。今年で震災・原発事故(2011年)から7年を迎える。太平洋戦争の終戦(1945年)からは73年がすぎた。時間の中で、記憶と教訓は薄れていく。しかし、現在ほど身近に戦争の危機を感じさせる時はない。私は戦後世代であるが、父母の世代は戦争を経験している。また、親戚縁者に戦死者のいない家族はほとんどない。戦地では戦闘と殺戮が現実に行われ、捕虜の殺害や負傷して死んでいく同僚、多くの不条理な死と直面した経験が戦後の平和な世界を創る原動力になっていた。私たち、戦争を知らない世代が戦争を経験することを避けるためには、歴史の記憶と経験に謙虚に耳を傾けることが大切になる。73年前の教訓は、穏やかな日々を奪われ、不条理な死を強制された人々の悲劇にあると思う。戦争からすれば規模は小さいが、7年前の原発事故にも同じものを見ることができる。人類の滅亡にも繋がりかねない核戦争への教訓から核廃棄へ向かうのかと思うと、力の均衡こそ平和を維持するという論理で、核開発競争は続き核保有国が増加してきた。核爆弾の原料供給基地となる原子力発電所は、世界中いたるところに建設され、どの国も核保有国への仲間入りが可能となっている。被爆国であり、原子力発電の事故を経験した日本も、再び原子力発電の再稼働への動きを加速させようとしている。戦後の核開発競争、兵器の近代化、それは破壊力の飛躍的な拡大、それが本格的に使用されたときの被害は想像するだけでも恐ろしい。人は幸せな人生を送るために生まれてきた。それを奪うことは誰にも許されない。人災は、常に不条理な悲劇を人々にもたらしてきた。人類の歴史は、不条理な悲劇を繰り返し克服してきた歴史であることを考えると歴史から学ぶべきことは多い。学びながら身近にできることを一つ一つ積み上げていくことで、お互いを助け合い、守り合える社会が実現できると信じて、今年も一歩一歩、歩みを前に進めていきたい。