7月3日現在で開幕まで20日、オリンピックが始まる。コロナで一年延期され、そのコロナが収束しない中での強行開催となる。選手団も入国が始まり、関係者だけでも大変な数の人々が日本を訪れる。何事もなく終わってもらいたいと思う。その後はパラリンピックも開催される。あと52日、8月末まで歓喜と緊張の日々が続く。
政治判断の決定と日程、決定に基づく工程表の作成が閣議決定されると、関係省庁に落とされ具体的な政策の策定に進む。我々国民の目に入ってくる時には、ほとんど変更のない状態となっている。結論有りきで、現実を結論に持って行くためのプロセスをどう作るかが官僚の才覚なのかもしれない。動き出した列車は簡単には止められない。
政権与党が国会議員の過半数を安定確保し続けると、内閣の閣議決定が政策決定となり、国会審議で決定が覆ることはない。閣議決定が実質の国の最高意思決定機関となっている。安定政権の長期化により、一度作成した政策決定の内容は変更されることがなく、内閣への権限の集中を強め、利権集団を醸成する。内閣府におかれた「経済財政諮問会議」のもとで作成された提言が、6月18日の会議で「経済財政運営と改革の基本方針2021」として閣議決定された。「経済財政運営と改革の基本方針」は「骨太の方針」として小泉政権の2001年度から始まり、安倍政権に引き継がれ現在にまで続いている。この閣議決定が政策決定の基本方針として、今後の日本の方向性を決定づけていくものと思われる。
オリンピックの開催は、日本への誘致が決定した段階からの政治日程に基づき動き始まった巨大プロジェクト。東日本大震災からの復興と東京の国際都市としての吸引力の強化、それにコロナ禍からの脱却が加わり、既定路線を走り続けている。満員電車が大歓声の中駅に滑り込むはずが、乗客は誰もいない中で寂しく電車だけが到着する。