11月は、連日の北朝鮮のミサイル発射のニュースで慌ただしく始まった。2日には23発以上のミサイルを発射、3日にはICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射、山形・宮城両県ではJアラート(全国瞬時警報システム)の速報も出された。その数時間後には誤報として訂正された。取り合えずは飛んでこなくて良かったが、なぜ突然消えてしまったのか、何がどうなってしまったのかが良く解らない。
ICBMが失敗して爆破されたのではないかとは思うが、日本上空を通過中であれば心配では済まされない大惨事となる。Jアラートは、想定飛行ルートを瞬時に計算し、警報装置に連動して緊急警報が出されるのであろうが、想定外の動きにはついて行けない。大惨事となる事故の殆どは、重なる想定外の中で発生する。「強」対「強」(「強硬」対「強硬」)の力の自慢比べも度を超すと寸止めが利かずに接触事故となる。米軍が公海上で撃墜した可能性もないとは言えない。恐ろしい、ミステリー。
ウクライナの戦争から派生して世界に広がるエネルギー供給の危機、ロシアからの石油・天然ガスの供給停止、電力不足の危機感の高まりが原子力発電の再開・再稼働へと世界の流れを大きく変えてしまった。日本も例外ではなく、原発の運転期間を最長60年に制限するルールを撤廃する方針を政府が出したことで、老朽原発をいつまでも動かし続けられることとなる。福島第1原発の原発事故から11年でここまで戻ってしまうとは何と恐ろしいことか。日本の原発は、すべて北朝鮮のミサイルの射程内にある。
ミサイルの開発・増産競争が行われ、アメリカ経済を潤している。緊張の高まりにあわせて軍事予算も増額されミサイルの備蓄に向かっていく。来年の予算審議が国会で行われ、防衛予算が特出している。危険な魔のスパイラルに取り込まれ、もがけばもがくほど深みにはまっていく蟻地獄を思わせる。
「強硬」の裏には、弱さと脆さが見え隠れする。弱さを認め合うことから助け合いは始まる。異常気象の中で、為政者は、貧困と飢餓の恐怖を国民に与え、先進国は後進国に飢餓輸出を強要する。肥沃な土地での食糧増産と食糧支援を基本に国民の命を守る助け合いの連鎖を繫いでいくことから魔のスパイラルからの抜け出す道は開ける。共生社会への道を選択する為政者の出現を待ち望みたい。