5月3日は、憲法記念日。ゴールデンウィークの中日で快晴、気温は上昇し夏日となっいる。4月29日には、福島市の隣町の梁川で32.3℃と、全国での最高気温を記録した。今年も今から猛暑が心配である。
ところが、29日には、冷め切った衆議院の3補欠選挙が行われ、自民党は全敗し、立憲民主党が3議席を獲得した。長崎3区、東京15区、島根1区、それも長崎と東京は独自候補を立てられず不戦敗となっている。特に今回の選挙で心配なのは投票率である。島根1区で54.62%、東京40.70%、長崎35.45%といずれも過去最低と、お寒い限りである。今年も憲法記念日を迎えたが、憲法改正論議の以前に、日本における議会制民主主義が危機的状況である。与党は与党としての責任を放棄し、しらけムードでの選挙戦、関心の低さがそのまま投票に現れている。
日本国憲法は、世界に誇れる民主的憲法であると信じている。国民主権のもとでは、国民からの信託を受けて初めて国は成立する。これを具体化させる場が国会である。国会は、国民に選ばれた国会議員の中で充分に議論されてこそ役割は発揮される。しかし、それが機能しなくなって久しい。与党の自民党が過半数の議席を獲得し、安定政権が長期化することで、内閣内での閣議決定が実質的な国の最高決議機関となり、国会を形骸化させている。
地方分権も今は昔、財源と権限は中央に集中し、これに群がる利権、政策決定、これに伴う法改正、これらは各種団体の議員への働きかけを加速させていく、まさに政治と金の舞台裏。住民の意思と政治的動きの乖離が政治不信を招き、それが不信を超え諦めの中で無関心層を拡大している。その中では、国会での過半数を持ち続ける政党が国会を私物化し、都合のいい道具として利用しているようにしか見えなくなっている。
生活現場に関わる政策は、地方分権を原則に、地方で判断していくべきであり、国への権限の集中はできる限り避けなければならない。地方分権での住民の参加意識が、民主主義を育て、国政への関心も高めていくこととなる。中央への権限の集中は、大きな利権を生み、権限を維持し続けるために専制国家への道を加速させる。これを押し止めることはできるのか、それは、国家主権への憲法改正の動きを押し止めることである。憲法記念日を契機に、日本国憲法を丁寧に読み直し、国民主権の意味を改めて問い直していくことが大切となっている。