今年の猛暑は異常としか言いようがない。全国各地で連日40℃越えのニュースが続く。福島も例外ではなく、38度、39度と猛暑が続く。あまりの暑さに日中のセミの声も聞こえない。朝や夕方、日差しが陰り気温が下がってくるとセミも鳴きだす。暑さでセミがいなくなってしまったのでは?との心配は一安心。しかし、田圃には水も少なく干ばつで米は大丈夫なのか?米不足が心配に。「減反」見直し(朝日新聞・8月6日朝刊)「米増産へ転換」という記事が、国内での主食の自給は、国を守る基本、相手は自然、心配は続く。
8月は、広島・長崎への原爆投下と終戦記念日が今年もやってくる。戦争の記憶を後世に残そうとしている方々の記事が連日掲載されている。当事者にとっては決して思い出したくない記憶、それを今語り残さないとという悲痛の叫びが伝わってくる。しかし、世の中は戦争に向かっての歩みを早めているように思える。
ウクライナ、パレスチナ・ガザ、イラン、イスラエル、ロシア、北朝鮮、中国、アメリカ、国際紛争の当事国に世界の軍事大国が並ぶ。力の均衡が世界の平和を維持しているとの信念で、自国優位の世界秩序を模索する大国、均衡を維持するためには核の使用もいとわないと公言する国際社会となってきた。第2次世界大戦の終結から80年の戦後世界では、戦争の悲劇を繰り返さないために、核戦争を起きないように、国際協調を図るための組織として国際連合は作られたと習ってきた。しかし、決定権を持つ理事国間での対立が顕在化している現状では国際協調を期待することはできない。強国を中心にしたブロック経済圏の再編が進んでいる。アメリカの関税政策の全容が明らかになってきた。アメリカとの友好国には基本15%、敵対国には高関税で対抗する。経済戦争が本格化し、限界点を超えると武力衝突へと突き進む。歴史は繰り返す、しかし、歴史から学ぶのも人間である。
「戦争を決してやってはいけない」という戦争経験者の悲痛な叫びに耳を傾け、戦争を起こさない世界をどうすれば実現できるのかを考え、歴史から学ばなくてはならない。再び同じ間違いを繰り返さないために。
世界的な異常気象は、食料危機を予感させ、食料危機は紛争も誘発させる。空腹は人間の理性を狂わせる。今こそ戦争体験の記憶を学び直さなければならない時に来ている。


