参議院選挙が始まった。衆議院同時選挙になるのでは、消費税の引き上げが再度延期となるのでは・・・、選挙前に流れていた話は何もなく、盛り上がりに欠ける選挙戦の開始である。21日が投票日となるが、憲法改正への議席を自民党が確保するのか、野党はこれを阻止できるのか、問題は山積みなのに争点が見えない。今後の動向を見守りたい。

政府が進めるキャッシュレス化、カード決済で現金の必要がなくなる社会を目指している。早速不安が具体化し、セブンイレブンで使えるセブンペイ(セブンイレブンで使える電子マネー)が不正アクセスされてかなりの被害が出ているようである。携帯電話がスマートフォンとなり電子情報が氾濫する中で、個人情報の漏洩もあとをたたない。

消費税の引き上げと複数税率、キャッシュレスによるポイント還元、消費税の引き上げに乗じてキャッシュレス化を進める安倍政権、問題状況の整理と対策が見えない中で何をそんなに急ぐのか。年金財源として消費税の引き上げを行うとしながら、年金だけでは老後を送れないことを政府の報告書が明らかにする。政策の目的が、表面上説明しているものとは別なところにあるのではないかと思えてくる。

国際労働機関(ILO)が4日報告書を発表した。2017年に世界の労働所得総額の48.9%を所得の高い上位10%だけで得ている一方、下位50%は6.4%しか受け取っていない。世界的に労働者間の格差が顕在化していることを指摘している。豊かな国でも、高所得層の収入が拡大する一方で、中間層が縮小する傾向があると見られるとしている。

日本の政策の方向はどこを目指しているのか。国内における格差拡大、国際的な格差拡大、高度化した管理社会、分断と孤立化による情報操作、近未来のSF小説が頭をよぎる。国会で成立する法律に違憲はない。国民主権で決定されたものを司法では変えることはできない。選挙の重要性と危うさ、全ては国民の良識にかかっている。