2026年は穏やかな新年を迎えた。2年前の元旦は、能登大地震で新年を迎え、昨年の12月31日には、岩手県沖で最大震度4の地震が起きている。2011年3月11日の東日本大震災・原発事故から15年、全国各地では毎日どこかで地震が起きている。全国で地震の危険のない場所を探すのは難しい。そんな中でも、地震のない平穏な1年であることを願う。
地震が起きることは、人間の知恵では止められない。しかし、その被害を最小限にしようとする人間の努力は、その被害を減災することを可能にする。起きた場合を想定した対策を、過去の地震の教訓から学び、減災対策に組み込み地域住民に広く周知しておくことが大切となる。
国は、今年の11月に「防災庁」をスタートさせることを閣議決定している。災害を減災させるためには、国が進めてきた経済優先の大規模プロジェクト(国土開発計画)が、災害時の被害を大きくしているという事実を、地震からの教訓として検証することから始める必要がある。地域の現状を正確に把握し、地震が起きる前に具体的な対策を十分に立てておくことが重要であり、その結果を基に、災害が起きた場合の対応を地元自冶体と十分検討しておくことである。
東日本大震災と能登大地震の被災地に共通しているのは、過疎化が進んだ高齢化地域であるということである。戦後の高度成長を支える労働力として若者を都会に送り出し、その周辺の農村・漁村は急激に過疎化が進むこととなる。福島では、国のエネルギー政策の中で原子力発電所が誘致され、都会への電源供給基地化していく中で、地震による津波に誘発された原発事故が起きている。能登半島周辺30キロ圏内にも柏崎刈羽原発があり、3.11以降停止してきたが、再稼働することを東電は決定している。15年前の事故を教訓に原発依存を減少させていく方針が、現在は再び原発を推進していく方針に大転換されている。国の政策で進められた原発の事故の責任も、国は追及されることなくすべて結審している。
田中角栄時代の新潟県周辺の道路網の整備は立派で素晴らしかった。上下水道の整備も進んだ。便利さが優先された国土開発計画は、東京一極集中を可能にし、地方との経済格差を拡大する結果となった。しかし、災害時における中山間地域の道路網の分断、上下水道の分断は、日常生活の破綻と孤立化を伴い、避難の長期化や移住を余儀なくされる。少子高齢社会の限界集落では地域の存亡をかけた社会問題となっている。
経済拡大の裏には、経済の破壊・破綻を伴うことを、災害からの教訓として確認しあいながら、今年が人間社会の判断で災害時の被害を最小限にくい止めることのできる対策を考えていく年となっていくことを願う。


