田植えを終えた水田は水を満面に湛え、まだ幼い稲の苗が水面から顔を出し風に揺れている。水田に水が入ると、かえるの鳴く声が聞こえ始める。どこに今まで隠れていたのか、鳴く声も元気で、うれしそうに聞こえる。水を得たかえるということか。自然の営みの不思議を思う。
全国に送ったひまわりの種も畑や花壇、プランターとさまざまな環境に植えられ、それぞれの場で成長していく。種まきの風景、二枚葉が出てきた様子、うれしさが伝わるメッセージが添えられて届く。土の中から二枚葉が顔を出し、見る間に葉が出て太陽の日差しに向かって伸びて行く姿、この時間に係り共有できることには、自然の営みに参加する感動がある。水をやり、草をむしり、肥料を与える。手をかけた分だけ正直に答えてくれる。自然の中で、ひまわりと人間の共生を体感できる一瞬である。
このひまわりを育てる楽しみと苦労を共有する仲間が全国にいる、福島を支援したいと思いを共有しながら。「福島を思い、ひまわりを育てています。」とのメッセージは、福島に住む私たちを元気づけてくれる。しかし、それを独占してしまっては申し訳ない。思いを同じくする仲間が、「友だちの友だちはみな友たちだ。」と声を合わせて繋がっていくことができればと願う。
身の回りの何気ない自然の営み、その中で生き、生かされていることを大切に思う仲間が繋がり、身近な生活の中で繋がりを実感していくことができればと思う。たかが「ひまわり」されど「ひまわり」、大輪の花が日本全国をいろどる日は近い。