秋を迎えて
徐々に朝晩が肌寒くなってきましたね。10月になり、彼岸花(ヒガンバナ)や金木犀(キンモクセイ)が咲きました。花から見る栽培適期では、ネギ、ゴボウ、ミツバなどがあります。よく言われるのは「去年はこの日に種をまいたから今年もこの日にまく」ということがあります。気候は毎年変化しているので、去年を同じ日に植えてしまうと適期がずれてしまい、虫に食べられやすくなったりします。「植物のあの花が咲いたから、この種をまくようにする」と適期を逃さなくて済みます。草花や木々に教えてもらいましょう。
これからカエデの紅葉やサザンカが咲いてくると、エンドウ豆、そら豆、麦、たまねぎ(定植)、アスパラガス(株分け)ができるようになります。
虫、鳥、獣類による食害への対処
虫による食害
虫の食害については対処療法的に一時的に捕殺したり、ネットなどで防いだりせざるを得ない場合もありますが、①無理な作付けをしない。②虫に食べられない、また食べられても回復できる健康な野菜を育てるようにすること。③片寄りなたくさんの命が生息できる畑の環境を維持するように心がけること。これらが大切になります。
自然は常に調和をとる方向に動き、バランスをとっています。畑の中にたくさんの命が生息できるような環境を作り、草刈りなどを手に入れるときは、できるだけ命の営みを邪魔しない、調和を乱さないように配慮することが必要です。虫は虫に、畑に生息する命にまかせることが基本となり、おのずと答えを出してくれます。
虫による食害については、そうなったときには健康に育っていない作物、畑の状態に起こる現象であり、手の貸し方の間違いで起きていることなので、育てる野菜の選択、品種選びに始まり、農作業のひとつひとつをチェックしてみます。そうすることで、次に同じことを繰り返さずに済むようにします。農業から見れば虫による食害は困ったことですが、自然界から見れば最善の展開です。問題を招く・招かないは、こちらの在り方次第です。
鳥による食害
鳥による食害については地域や野菜の種類によって異なると思いますが、冬から春はヒヨドリが葉物を食べたり、夏の時期はトマトが食べられたり、豆類をまくと食べられるといったことがあります。草がある中に種を下ろし、覆土して刈った草を書けると目立たなくなり、食べられなくなるようになります。
防ぐ手だてとしては、作物の近くに釣り糸(テグス)や鳥よけのキラキラ光るテープ、ひもなどを張ることが簡単な方法です。群れてきてしまうときは、防鳥網をかけて作物全体を覆うようにします。また、音が鳴るもので一時的に作物を守る方法もあります。
作物を食べられてしまうとがっかりしますが、鳥が来ること、運んでくるもので畑は豊かになり、鳥が虫を食べるなど畑の調和をとってくれていることも多く、鳥の働きは計り知れません。
獣類による食害
近年、各地でイノシシ、サル、シカ、クマによる食害が増えています。また、アナグマ、ハクビシン、ウサギの被害もあるようです。耕作放棄地が増えると畑の近くに定住してしまうため、さらなる被害拡大の要因になります。音や光、においで遠ざける方法や、作で畑を囲むことで食べられないようにする対策をしていきましょう。動物は食べものを見つければ食べます。盗んでいるわけではありません。「ここはダメ」ということを示して住み分けることが必要です。