命を守る食卓#2
畑の様子とこれから

4月に入り、福島ではまだ朝晩は寒く感じますが、日中は汗ばむ日もありました。気温の上昇とともに草花が咲き始め、作物はぐっと生長し、春の訪れを感じられてきました。
土船の野菜畑では、絹さやエンドウやスナップエンドウなどの豆類、ニンニクや玉ねぎ、麦類が生長してきました。
さて、5月17日は吾妻山のふもと、土船にある青葉学園の畑でひまわりの種蒔きを行います(詳細はページ下部に記載)。このひまわりを通して、全国各地の栽培協力者の皆様と一緒に栽培していることを実感したいと思います。今年もよろしくお願い致します。
「重イオンビーム米」って何?
3月号に引き続き『命を守る食卓#2』ということで、「放射線育種米」と「食料自給率」について載せていきたいと思います。

知らぬ間に食卓の米が変わっているかもしれない
重イオンビームとは、人工放射線の一種です。電子をはぎとってイオン化した粒子を巨大な加速器で光の最大70%程度まで加速したものをビームとして放出するものです。このビームを植物に当てることで遺伝子の二重鎖を切り、突然変異を引き起こして新品種をつくり出すのが重イオンビーム放射線育種になります。
日本には、戦前戦後に鉱山を乱開発した結果、鉱山周辺にカドミウム汚染地が残っている地域があります。カドミウムは自然の元素ながら人体に入ると有害な物質です。そこで農林水産省は重イオンビームでカドミウムを吸収するはたらきをする遺伝子を破壊して、カドミウムを吸収しにくい稲を開発したのです。
農林水産省は重イオンビーム放射線育種でつくった「コシヒカリ環1号」をもとに、日本の主要品種をその系統に変えていく方針を決め、秋田県は2025年から秋田県の7割を占める「あきたこまち」を「コシヒカリ環1号」系の「あきたこまちR」に変える予定です。変えた後も「あきたこまち」として売るので、消費者には知らせないまま売られることになります。
汚染地対策ならば汚染地だけで採用すればよいのですが、その場合、〝風評被害が心配〟ということを理由に、汚染されていない地域も同じものに変えると言っています。汚染の除去が肝心なのに、それはパスして遺伝子を壊したお米の普及をしようという計画が進んでいます。

食料自給率

食糧難の噂って本当!? 日本の食ってどのくらい危ないのか?
食料自給率とは、いわば国レベルの「地産地消」です。現在の日本は外国の力がなければ国民の食料を準備できません。
米や野菜、牛乳などある程度の自給はできていると思いがちですが、それは数字のトリックです。種の自給率を計算に入れると、実質自給率は8%程度です。
パンデミック、自然災害、紛争などで海外からの輸入が止まれば、日本はあっという間に食料が生産できない国になります。
餌や肥料を考えればすでにレッドゾーン
作物は飼料や肥料、種苗などがなければ収穫できません。それらの必要な物資はほとんどが輸入頼りです。特に深刻なのは畜産業です。家畜がよく育つ餌は大豆やトウモロコシ、麦といった穀物。これらのほとんどが国内ではごくわずかしか収穫されていません。輸入飼料遺伝子組み換えの心配はもちろんありますが、動物たちの飢えや私たちが肉を食べられなくなってしまうという現実があります。
おわりに
今回は重イオンビーム米、食料自給率について掲載しました。5月も引き続き「命を守る食卓#3」として載せていきたいと思います。

ひまわり種まき参加者募集!

概 要
場 所:青葉学園(〒960-2152 福島県福島市土船新林24)
日 時:2025年5月17日 10:30~13:00(受付開始10:00)
参加費:無料
筆者:後藤 恒治


