肥育ホルモン牛肉

今年の夏は猛烈な暑さでしたが、9月になり福島では朝方の気温が20度くらいになってきました。外では、鈴虫などの虫の音が聞こえるようになり、秋が感じられるこのごろです。

まだ日中は30度を超える日が予想されていますので、熱中症や寒暖差によって体調を崩しませんように、気を付けてお過ごしください。

先月収穫したひまわりを乾燥させている状態を見て感じたことですが、額の後ろの部分の乾燥スピードが遅く、額の中のスポンジ状の部分が蒸れているような状態でした。額のまま乾燥させる場合は、スポンジ状の部分が見えるぐらい大きく切り取り、水分を早く出すことでかびなくなると思いましたので、参考にしてみてください。

ひまわり畑の隣では、無農薬で野菜を育てています。

山が近いため、ガの幼虫やイノシシなどの食害がありますが、試行錯誤しながら色々な方法を試して収穫しています。参考にしているのは、自然農、自然農法、自然栽培、菌ちゃん農法、有機農業、農業系ユーチューバーや雑誌の現代農業、野菜だより、やさい畑などです。また、微生物から宇宙まで様々な食の危機などにも関心をもっています。今回は〝肥育ホルモン〟についてお伝えします。

日本は肥育ホルモン牛肉の処分地になっている!

自国では食べない肉を日本に送る!?

安価な輸入肉の多くには肥育(成長)ホルモン剤が使われています。成長期間が短縮でき、肉質をよくし肉量を増やすことでコストダウンでき、安く大量にできるというわけです。人間には安全かといえばそうではありません。ホルモンは微量で体を回しています。それを食べ物から入れたら、やはりバランスはくるってしまうでしょう。南米の幼い子どもの乳房が膨らんだことや、この肉によるベビーフードによる障害がヨーロッパ中で報告されました。がんになるリスクもあり、EUではホルモン肉が輸入禁止になりました。

なぜ日本が牛肉の「処分地」になったのか

もともと食の安全に厳しかった日本に、アメリカが自国の余剰農産物を押し付けようと規制緩和を迫ったのは1985年。日本に対し日米貿易摩擦を盾に、「具体的なアクションプログラムを示せ」と要求しました。そこで日本政府が示した具体策が、検疫の簡略化、迅速化です。

さらに2020年、アメリカ産牛肉に対する関税率が下げられ、国産より安い海外産の肉が並ぶようになりました。もちろん、ホルモン剤を使っていることを表示したものは残念ながらありません。

私たちが食べている輸入肉に含まれているもの

・肥育(成長)ホルモン

成長を早める化学物質で、代表的なものでエストロゲン=女性ホルモン。

肉牛、乳牛へのエストロゲンの使用は国内では禁止されています。

エストロゲンは乳がん細胞の増殖リスクが指摘されており、最近の乳がん患者増加と輸入肉が無関係とは言いきれません。

・ラクトパミン

餌に混ぜて与える肥育促進剤。

人体への影響として、下痢、嘔吐などの食中毒症状、心疾患のリスクが確認されています。日本では使われていません。

・遺伝子組み換え飼料

飼料用大豆、トウモロコシのほとんどが遺伝子組み換え穀物。私たちは畜産物を通して間接的に遺伝子組み換え作物を摂取することになります。生協などでは、遺伝子組み換えでない飼料で育った家畜の肉や卵を扱っています。

・抗生物質

密飼いなどのストレスに晒されると、病気に弱くなるため予防や治療のため、餌に抗生物質を混ぜます。抗生物質を使い続けることで菌が耐性を持ち、いざというときに抗生物質が効かないことに。肉を食べ続けた人間にも同じことが起こりえます。

おわりに

今回は肉についてでしたがいかがでしたでしょうか。しばらく「命を守る食卓」から紹介させていただきましたが、かなりショッキングな内容だったと思います。私たちは動物や植物の命をいただいているから、命を「いただきます」と言って食べ、感謝して「ごちそうさま」と言います。また、「簡単」「便利」「安い」「早い」といったことは良いように思われますが、「難しい」「不便」「高い」「遅い」といったことの良さにも目を向けてみるのも悪くないのではないでしょうか。