記録的な猛暑が続く中、全国からひまわりが咲いている話題がたくさん届いています。シャロームの呼びかけに賛同し協力をいただいている「ひまわりプロジェクト」協力者のみなさんへ感謝を込めて暑中お見舞い申し上げます。

 

「ひまわりプロジェクト」にご参加いただきありがとうございます。

福島からお送りさせていただいた「ひまわりの種」が、全国各地で咲き誇っています。ひまわりの花が、太陽の日差しを受けて眩しいほどに咲き誇っている姿を見ると、人々の優しさと気高さを感じます。福島からの呼びかけに応え、栽培に取組んでくださっているみなさんの姿を思うと感謝に耐えません。

ひまわりの一粒の種が、人々の心を繋ぎ、思いを一つにしていくことで大輪の花を咲かせていきます。一粒の種は、実を結び、数千、数万と増えていきます。「ひまわりプロジェクト」は、人を思う優しさが、人々の心を繋ぎ、それが大きな力となっていくことの証です。

東日本大震災そして原発事故、福島における原発事故は、当たり前のことと思い込んでいた日々の生活を一瞬にして奪い去っていきました。4年を経過した現在、表面的には平静を取り戻して来ているようにも言われていますが、避難者はまちに戻れず仮設に留まり、風評被害による農産物の価格低迷、除染とホットスポットの存在、東京電力の損害賠償金、その人の置かれた環境により一人一人の生活への影響が異なり複雑化しています。そのような中にあって、私たちは、失うことを通して人間にとって最も大切なものとは何かを問いかけられているのではないかと思うのです。

「ひまわり感謝祭」での「ひまわりプロジェクト」へ参加しての感想を聞いてみると、福島を支援しようと参加した人たちなのですが、プランタで栽培した親子は「夏休みの自由研究として取組み、親子の対話が増えました。」また、老人ホームのお年寄りは「花の手入れを通して元気になった。花の成長を楽しみにしています。」、学校でも「目的を持った共同作業を通して子どもたちの関係も良くなっています。」地域では「地域の景観が良くなり、これまで知らなかった方々も声をかけてくれるようになり協力してくれる人も増えてきています。」と身近なところに多くの成果が生まれ、優しさが繋ぐ人間関係が生まれてきているようです。命を育てること、そして失うことで、命の大切さを知り、それを繋いでいくことによって、人々は生き続けてきたのです。人は、助け合うことで生き続けてきたのです。

原発事故の経験は、私たちにとって最も大切なことは、相手を思いやり、助け合って生きていくことであることを教えています。「ひまわりプロジェクト」は、その優しさの連鎖によって支えられ、優しさのネットワークとなって広がっています。福島への支援で始まったこの「優しさのネットワーク」が全国に広がり、新たな災害時には福島発の民間による相互支援ネットワークとなっていくことを願っています。

一粒の種に託した「優しさ」のメッセージを皆さんとともにこれからも伝えて行きたいと思います。