年の瀬に向けて世の中が慌ただしさを増している。アメリカの中間選挙が近づいているせいか、トランプ大統領は、一段とアメリカ至上主義の姿勢を強めている。中国との経済戦争も泥沼化の様相を強め、長期化は避けられそうもない。

世界の2大経済大国の争いは、周辺の小国に多大な影響をもたらす。関税の引き上げ、輸入制限、資金の引き上げ等々、アメリカの一挙手一投足が世界を震撼させる。国内に巨大市場を内在させる中国は、国内インフラの整備、中国版所得倍増計画を実行し、国力を強めていく。米中の世界の覇権をめぐる争いはこれからが本番のように見える。

EUをリードしてきたドイツのメルケル首相も地方選挙(10/29)で大敗し引退することが決まった。イギリスはすでにEUを離脱しており、その後の調整の見通しは立っていない。EUの世界的な影響力の低下は避けられない。世界の大国がそれぞれ自国の利益を優先し、急速に協調関係は崩れてきている。

世界的な政情不安の中にあって、安定政権化する安倍政権は、特異な存在に見える。世界を駆け巡る日本の安倍外交、日中首脳会談、日米首脳会談、世界の首脳とのトップ外交、何がどこまで協議され、合意が成立しているのか。成果を強調するが、都合の悪い部分は公表されない。秘密保護法により、日本の安全保障に関する「特定秘密」は公表しないことが正当化されている。

外交での合意は、国家間の関係を抱束する。これを守らない場合には、国家間の紛争の引き金ともなりかねない。日本が世界の平和に貢献する平和外交の騎手として活躍することを願うのみである。