12月を迎えると今年の重大ニュースの話題が出てくる。昔のように思える話題も今年だったんだということに気がつく。韓国での冬季オリンピック、東京オリンピックの話題にかき消されたかのように、随分と昔のできごとに思えてくる。北朝鮮をめぐるトランプ大統領の話題も米中経済戦争の陰に隠れて鳴りを潜めている。

世界を二分する経済大国の対立は、世界に大きな波紋を広げ、G20が世界の主要20か国の首脳を集め会議が行われた。米中にどれだけの影響力を持ち、どうしたいのか。貿易の自由化と言いながら、自国への利益誘導のための駆け引きが繰り広げられる。訪問せずに一か所で首脳会談ができるのが最大のメリットかもしれない。

G20でもう一つ気になるのが、G20の国々は、難民の受け入れ国かその可能性の高い国であるということである。日本では、ほとんど審議もされないままの強行採決で入管法が改正された。世界情勢と関連での改正であることは明らかである。

入管法とは、「出入国管理及び難民認定法」の略称のようである。国が、国内と国外での人の出入を管理することは、国の主権に基ずく国際的な行為となる。それは、日本国民が国外に出ていく場合の国民の保護、外国人が日本に入ってくる場合の外国人の権利保護と国民の安全を目的とする。それは、社会情勢の変化による入国者の変化を反映している。移民の受入には、難民の受入と労働者の受入がある。難民の受入は、土地を追われた人々への人道支援となるが、労働者の受入では、国内の労働力の確保という国内の労働事情を反映する。外国人労働者の増加は、国内における外国人居住者の増加を意味し、家族を形成すると地域社会との共生が課題となる。生活環境、文化風土の違いは、親と子どもに多くの問題をはらんでいる。

外国人の大量流入に備えた日本社会の準備はできているのであろうか。日本国内で成長する外国子女、親たちの異文化への適用、集団化する中での温存される国内の異文化圏の形成、低賃金労働者の失業リスク等々懸念される課題は多い。異民族が同化融合するためには、3世代が入れ替わるだけの時間を要する。100年後の日本社会を考えた判断をしていかなければならない。