4月は1日の「エイプリルフール」から始まる。なんのうそをついても許されるという。日本だけのものでもないようだ。うそも程度問題で、人を和ませ人間関係をよくする冗談にもつながるが、フェイクニュースのようにうそが真実のように伝わり始めると社会的混乱を起こしかねない。楽しいうそにとどめたいものである。
3月31日には、令和7年度の予算が成立し新年度に間に合った。二転三転しながらも成立したが、これに伴う予算執行のための行政現場の改編や法の整備、通達等はまだよく分からない。政策転換や新規事業を行うためには、現場が動き始めるまでの準備期間が必要で、それには相当の時間を要する。同じ1万円でも使い方によりその質は大きく異なる。現場で必要なものに生かされるためには、現場の状況をよく知り、国と地方が連携したきめ細かい対応が大切となる。
1日には、南海トラフ巨大地震が発生した場合の被害想定を政府の作業部会が発表している。その中では、死者数29万人、関東から西日本、九州までの太平洋岸は甚大な被害を受け、経済被害はGDP(国内総生産)の半分に匹敵すると想定している。いつ起きるかは分からないが、必ず起きるとすれば、発生時の緊急支援と日常的な現場での避難訓練、防災組織の強化が、発生時の被害を大きく減災することとなる。県単位での避難地域協定などを相互に行っておくことも重要となる。住民総参加で行う炊き出しでは1万円で数百人の空腹を満たすことができる。血の通った予算の執行を願わずにはいられない。
2日には、アメリカのトランプ大統領が、相互課税を発動させる大統領令に署名した。すべての輸入品に最低でも10%の関税をかけ、高い貿易障害がある国や地域には高い税率を適用する。日本には24%、中国34%、EU20%。第1段階として5日から全世界に10%の関税をかけ、9日には高関税国への適用を行うということである。この4日間を各国に検討する時間として与え、アメリカに有利な条件を引き出すための外交手段となっている。保護貿易への政策転換とアメリカ経済圏の再編強化を目指していることは明らかであるが、これに対する現場の対応は大きく異なることが予想される。世界規模での経済戦争の様相を強め、経済環境の縮小・グローバル企業の倒産、金融市場の破綻による世界恐慌へのカウントダウンが始まったように思える。
世界が平和になるための楽しいうそで終われることを願う。


