ことしのゴールデンウィークは、カレンダーどおりでは3~6日の4連休だけとなり、あまり長い休みの感じがしない。土日に祭日がつながると3連休は当たり前、時間外の制限や有休の取得も義務化され、自分の時間が増えている。仕事で働く時間では、他人の指示を受け働き、その労働の対価を受け取ることとなるが、自分の時間が増えるということは、自分の意思で判断し行動することが求められる。世の中は分からないことばかり、生きている限り続く生涯学習のため、この時間を有効に使っていきたいものである。
3日は憲法記念日、5日は子どもの日、世の中はトランプ関税に振り回され、世界中が原発再稼働、軍拡戦争に突き進み、令和の米中冷戦体制へと進んでいる。しかし、子どもたちの未来のために、戦争は絶対にあってはならない。福島民友『戦後80年・生死のはざま』という特集記事で90歳を超えた方々の戦争体験が連載されている。生死の狭間で生き延びた命、その戦争体験から発せられる〝戦争は絶対にあってはならない〟という言葉には、体験者の持つ重みがある。その思いは、次の世代となるわたしたちが真剣に受け止め、次の世代につないでいく責任がある。子どもたちが安心して暮らせる環境を整えていくことこそ大人の役割である。子どもの成長を願う子どもの日は、それを考える日としたい。
戦争は、国と国との利害の対立が極限状態となることで武力の行使として行われることを歴史は物語っている。この国々には最高法規となる憲法を有している。現在の日本の憲法は「日本国憲法」であり、この憲法の制定(1947年4月3日施行)を祝うのが憲法記念日である。日本の憲法には、戦前までの明治憲法と戦後の日本国憲法がある。明治憲法では、天皇主権、国民は天皇の臣民という関係にあり、敗戦によりこの関係は逆転する。日本国憲法前文の前半部分に、
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
と述べられている。戦争への強い反省と国民主権を基本に、国は国民の信託により成立し、国民の生活を守ることは国の義務であるとし、これに反する法律はすべて憲法違反であることを明らかにしている。
国民の利益を守ることは国の義務であるが、それぞれが国民の命を守るためとして他国民の命を軽んじ排除していくことでは、国家間の対立を深め、軍拡競争による武力の均衡による危険な平和しか作れない。世界は、個人の尊厳を認め合い、それぞれの国を認め合い、共生社会を目指す道を世界規模で模索すべき時が来ている。日本国憲法成立の意味を、子どもたちの未来のために真剣に考えなければと思う。


